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【2023/1/22】研究者セミナー実践編「研究から事業をつくる」イベントレポート

【2023/1/22】研究者セミナー実践編「研究から事業をつくる」イベントレポート

STARTUP CITY SAPPOROでは、2023年1月22日に「研究から事業をつくる ~研究者をサポートする実務家からのインサイト&ワークショップ~」と題し、大学や研究シーズを生かした研究開発型スタートアップの創出を支援する研究者向けのセミナーを実施しました。

ご参加いただいた皆様からは、研究開発型ベンチャー創出や研究者のキャリアアップ等に精通しているオピニオンリーダーの方々や、研究をもとに起業したバイオ系スタートアップ経営者からの本音トークを聞くことができ、「研究テーマをブラッシュアップするきっかけ」になったといった声を多数いただきました。ご参加いただけなかった方々にも是非ご覧いただきたく、当日の様子を動画と共にレポートとしてお届けします。

登壇者とセミナー内容

本イベントでは、一歩踏み込んで、研究者のキャリアとして起業という選択肢を知っていただいたものの、具体的な一歩をどのように踏み出してよいかわからない”もやもや”にお答えすることを目的とし、日頃より研究者や研究開発型事業の支援をされている実務家3名や起業に挑戦された研究者の方から、事業を始める上で必要な「ビジネス感覚(スキル+マインドセット)についてのヒントをいただくイベントとして企画しました。

①ライトニングトーク 「事業に関心がある研究者に伝えたい重要な真実」

(スピーカーのご紹介)

鳥居 優人 氏
株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ プリンシパル

【経歴】
北海道大学獣医学部卒。獣医師として勤務後、イーライリリーへ転職。セールス、マーケティングに従事。MBA修了後にエランコへ転籍。経営企画として、イーライリリーからの独立やバイエルアニマルヘルスの統合準備、経営戦略策定などを担当。2020年慶應イノベーション・イニシアチブに、医療健康領域担当のキャピタリストとして参画。得意分野は、創薬・医療機器・HCPやファーマをステークホルダーとするBtoBビジネス。2022年、札幌バイオビジネスアドバイザーに就任。

山本 憲幸 氏
株式会社Flox Bio 代表取締役

【経歴】
2009年に京都大学大学院で博士号取得後、国内大手製薬企業・ボストンスタートアップ企業で創薬の研究開発、戦略立案・ベンチャー買収/ライセンスを担当。ボストンで見た創薬スタートアップの景色は圧倒的でした。日本のアカデミアのサイエンスの底力はあるのに仕組みがうまく回っていないことに悔しい思いと、どうにかしないといけないという思いから、研究開発型創薬を支援する事業会社のFlox Bioを創業。600万円超のクラウドファンディングを経て、国内からノーベル賞に値する研究者の輩出をねらっている。投資の観点からもエンジェル投資グループNewsight Tech Angelsを創業。

柴藤 亮介 氏
アカデミスト株式会社 代表取締役CEO

【経歴】
首都大学東京大学院博士後期課程単位取得退学。当時の専門は理論物理学(原子核理論、量子多体物理)。大学院在籍時に研究室が閉鎖的であることに問題を感じ、さまざまな分野の大学院生が集う交流会を企画。そのなかで、専門知識がなくても研究や研究者の魅力に感動できると確信し、2014年4月に研究者が研究アイデアを発信することで研究費を獲得できるクラウドファンディングサイト「academist」を公開。「開かれた学術業界を実現し、未来社会の創造に貢献する。」をVisionに掲げ、研究者と個人、研究者と法人をつなぐ事業を推進する。

長堀 紀子 氏
遠友ファーマ株式会社 代表取締役

【経歴】
北海道大学大学院理学研究科 博士(理学)。大学でおよそ10年間、ライフサイエンス分野の研究者として研究・教育に従事。2013年より、経済産業省北海道経済産業局にて産学連携/バイオベンチャー支援に携わる。2005年より北海道大学人材育成本部で、研究人材の多様化に向けた環境整備、研究人材育成/女性研究者支援等に従事する傍ら、2019年に大学院の指導教員らとともに遠友ファーマ株式会社を起業、2020年より代表取締役/兼業。

②パネルディスカッション 「今日からできる事業創出の第1歩」

(パネリストのご紹介)
上記4名のスピーカー

(モデレーターのご紹介)
横山理佳 氏
株式会社OWLS 代表取締役

【経歴】
宮崎県延岡市出身。東京大学農学生命科学研究科修士課程修了。大学の研究テーマは、「アルコールの”味”」。花王株式会社にて健康食品および健康管理サービスの開発研究に従事したのち、日本総合研究所にて、国内外の医療・健康・介護・農業分野の新規事業開発、コンサルティングに従事。うち1年間は、理化学研究所に出向し、産学官民連携プロジェクトのメンバーコミュニティ運営と異業種プロジェクトを推進。2018より独立し、研究者・大学の競争的資金獲得、産学連携プロジェクト企画、研究事業推進マネジメントのアドバイス・サポートを多数実施している。

イベント当日の動画をこちらにアーカイブとしてアップしておりますので、レポートとあわせてご覧ください。

重要なのは内容やプロセスよりも、ゴールセッティングとチームビルディング

ライトニングトークでは、それぞれ異なる視点からのお話でしたが、研究者の先生方だからこそお得意な点や苦手な点等を考慮した実践的なアドバイスをいただきました。

鳥居氏には、大学VCにて数々の技術開発型ベンチャーに投資されている視点から、領域の事業トレンドやベンチャー事例を提示いただくと共に、研究シーズからの事業立案に必要なプロセスを詳説いただきました。また、山本氏には、日米における創薬ベンチャーシーンを熟知しているお立場から、医療産業のスタートアップの事業成功に必須となる項目とその関係性やチームビルディングの重要性等について、俯瞰的かつ体系的にご教示いただきました。そして、アカデミスト社の柴藤氏には、長年研究者のアウトリーチ活動の包括的な支援を先端で実施しているキーオピニオンリーダーとして、研究発信についてのポイントについて、自身の学術クラウドファンディングサイトの立ち上げ経緯等も交えてご共有いただきました。
また、北海道大学で研究者のキャリア支援等を行っており自らベンチャーを経営している長堀氏からは、ビジネスを立ち上げた経緯や苦労された点をお話いただき、今後起業にチャレンジされる方に大きなエールとなりました。

イベント当日の様子(ハイブリットで開催)

まずは、気軽に人に話してみること、多様な価値観に触れること

後半のパネルディスカッションでは、研究者の個別支援等を行っている横山氏がモデレートし、トークで触れていただいた点をさらに深堀りし、起業への具体的なアクションから発想の展開まで、参加者がすぐに実践できるアイディアについて言及いただきました。

パネルディスカッションのサマリー①
パネルディスカッションのサマリー②
パネルディスカッションのサマリー③
パネルディスカッションのサマリー④

北海道を起点とする「オンリーワン」「ナンバーワン」の事業の創出を目指して

イベント後には、希望者に対して、研究計画や事業計画などのフォローアップも実施しました。今後も、SCSでは多様な方々の起業の「きっかけ」を提供する取組みを行ってまいります。

本セミナーを通じて、起業や研究実装(産学連携事業への挑戦等)に少しでも興味を持った方は、SCS事務局が常駐しているSAPPORO Incubation Hub DRIVEへお気軽にお越しください!

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STARTUP CITY SAPPORO 事務局
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