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【NoMapsレポート】STARTUP CITY SAPPORO Presents シリコンバレー・欧州から学ぶ スタートアップ×デザインの理想形

北海道・札幌を舞台にカンファレンス・展示・イベント・交流・実証実験などを展開し、クリエイティブな発想や技術で次の社会・未来を創るためのコンベンション『NoMaps』。STARTUP CITY SAPPORO事務局では、10月13日(水)から17日(日)に実施されたNoMaps2021内にて、スタートアップをテーマにしたセッションを多数実施いたしました。

本レポートでは、NoMaps3日目、10月15日(金)16:00〜17:00に行われた『STARTUP CITY SAPPORO Presents シリコンバレー・欧州から学ぶ スタートアップ×デザインの理想形』のトークセッションレポートをお届けいたします!

登壇者

武邑 光裕(写真左上)
武邑塾 塾長
日本大学芸術学部、京都造形芸術大学、東京大学大学院、札幌市立大学で教授職を歴任。1980年代よりメディア論を講じ、VRからインターネットの黎明期、現代のソーシャルメディアから AIにいたるまで、デジタル社会環境を研究。2013年より武邑塾を主宰。2017年、Center for the Study of Digital Life(NYC)フェローに就任。著書『記憶のゆくたて―デジタル・アーカイヴの文化経済』(東京大学出版会)で、第19回電気通信普及財団テレコム社会科学賞を受賞。近著に『さよならインターネット GDPRはネットとデータをどう変えるのか』(ダイヤモンド社)、『ベルリン・都市・未来』(太田出版)、最新刊に『プライバシー・パラドックス データ監視社会と「わたし」の再発明』がある。

枝廣 ナオヤ(写真下)
デザイナー
札幌市立高等専門学校、同校専攻科(現・札幌市立大学デザイン学部)卒業後、ナカ工業にてデザインと設計を含めた建築金物の製品開発に携わる。2004年渡米、2005年よりサンフランシスコのデザイン事務所fuseprojectにて工業デザイナー、家具デザイナーとして働く。fuseprojectでは、小さな家電製品からオフィス家具システムまで幅広いジャンルのプロジェクトを担当し、量産化の段階では製品開発の経験を生かし、より深くプロジェクトに関わる。担当したプロジェクトは、ハーマンミラー(Public Office Landscape、Saylチェア)、Jawbone、DirecTV、 OLPC、HBF、サムスン、ダネーゼなど多数。2016年、fuseprojectのシニアリードデザイナーを経て独立。現在サンフランシスコを拠点に、アメリカのみならず、日本やアジアのクライアントのデザインプロジェクトに参加している。

モデレーター

佐々木 智也(写真右上)
株式会社デジタルガレージ 執行役員
株式会社D2Garage 代表取締役
株式会社DGインキュベーション取締役
1995年より広告代理業に携わり2001年より新聞社のネットビジネス開拓及び次世代ビジネスを推進。2005年に株式会社デジタルガレージ入社。デジタルガレージグループの戦略事業に携わる。海外サービスの日本ローカライズや、パートナー企業とのジョイントベンチャー事業等に従事。2008年Twitterとの資本業務提携により日本展開を主導。2013年ONL代表取締役社長就任。Twitterの日本におけるユーザーグロース経験や、投資先とデジタルガレージグループの事業連携をメインにインキュベーション事業を推進。


セッションの前半では、武邑氏より「ベルリンはなぜスタートアップ首都になったのか?」というテーマで、ベルリンの壁崩壊後から現在までを振り返り、イノベーションが生まれるエコシステムについてお話しいただきました。
次に枝廣氏より「デザイナーから見たシリコンバレー」というテーマで、スタートアップ企業とデザイナーとの関わり方やハードウェアのアジャイル開発についてお話しいただきました。
それぞれの地域のエコシステムについてインプットした後に、トークセッションに移ります。

テーマ1 スタートアップへのアドバイス

佐々木
ベルリン、シリコンバレー、どちらもデザインに生活者の視点を取り込むという考え方がありましたが、それぞれの立場からスタートアップへのアドバイスをいただきたいです。

武邑氏
では、スタートアップ10の教訓というものを共有しますね。
1.謙虚でいてください。
2.最小限にする。
3.本物になること。
4.静かに自信を持ってください。
5.インターナショナルになる。
6.卓越してください。
7.支援してください。
8.共創してください。
9.楽観的になります。
10.落ち着くことなかれ。
というものです。これらは、ベルリンやヨーロッパのスタートアップの姿勢が象徴されていると思います。これまでのスタートアップは、ユニコーンという「規模の経済」を目指すことに集中していたように思いますが、ベルリンやヨーロッパはどちらかと言うと、生活者に即した新しいサービスやプロダクトを作り出すというところに重点が置かれています。札幌のスタートアップでも、そういった着眼点が大切になってくると思います。

枝廣氏
デザイナーは、「ユーザー代表」のような部分があり、デザイナーが考えたものはある程度ユーザーの声だと思います。
一方で、デザインを完成させずプロトタイピングでフィールドワークをして改良していくプロセスによって、3Dプリンタの性能も上がったので非常にやりやすくなりました。このプロセスを繰り返して、ユーザーに向き合って開発していくのが非常に重要だと思います。
実際、日本企業の方と働くと、ユーザーと向き合うことをすごく怖がる方が多いんです。でもシリコンバレーの起業家は、それを怖いとは思いません。なので、怖がらずユーザーに向き合い続けてほしいです。

佐々木
ありがとうございます。私がシリコンバレーで学んだことは「まず作るな、ユーザーに聞け」ということでした。Onlabのスタートアップに対してもユーザーヒアリングをメインに進めることにしています。

テーマ2札幌・北海道のポテンシャルとは?

佐々木
お二人に、札幌・北海道のポテンシャルを伺っていきたいと思います。

武邑氏
私は札幌に10年間住んでいましたが、特徴は雪だと思います。
北欧の中でもオーディオ機器のイノベーションが起きていて、世界的にデジタル・オーディオの革新が起きていますが、生活空間が雪で覆われた町だからこそ、デジタル・オーディオに乗り込める特徴があるのだと思います。
それを実現するためには、クロスイノベーションという発想が必要です。一つの業態を超えて様々な領域とコラボレーションしていく、イノベーションのための共創的アプローチが必要です。素材や材料も含めてクロスイノベーションを促進していくような状況が北海道から生まれると、いろんなイノベーションが生まれていくのではないでしょうか。

最後に一言

枝廣氏
スタートアップとデザインの理想形は、会社とデザイナーが長期的に関係を築き、一緒に開発していくことです。私としても、長く関われたプロジェクトであればあるほど良いアウトプットが出ていると思います。

武邑氏
いくらスタートアップが良いプロダクトやサービスを作ったとしても、国の法律が変わらないと、真に生活者に密着したサービスを作れません。市場や業態だけではなく、行政や大企業と新しい関係を築き上げる必要があります。ヨーロッパもここ20年で、協調姿勢が取れてきました。こういう時代が日本でも始まってくるのではないかなと思いますし、札幌のようなオープンなマインドを持っている方が多く住んでいる地域から始まっていくでしょう。

こちらのセッションは、下記URLからご覧いただけます。

ライター:SCS事務局

岡山ひろみ

札幌出身、大樹町在住の猫を愛するWEBライター。