お問い合わせ

【NoMapsレポート】STARTUP CITY SAPPORO Presents 北海道に宇宙版シリコンバレーをつくる -北海道スペースポートの挑戦

北海道・札幌を舞台にカンファレンス・展示・イベント・交流・実証実験などを展開し、クリエイティブな発想や技術で次の社会・未来を創るためのコンベンション『NoMaps』。STARTUP CITY SAPPORO事務局では、NoMapsと連携し、10月13日(水)から17日(日)に実施されたNoMaps2021内にて、スタートアップをテーマにしたセッションを多数実施いたしました。

本レポートでは、NoMaps2日目、10月14日(木)16:00〜17:00で行われた『STARTUP CITY SAPPORO Presents 北海道に宇宙版シリコンバレーをつくる -北海道スペースポートの挑戦』のトークセッションレポートをお届けいたします!

STARTUP CITY SAPPORO Presents 北海道に宇宙版シリコンバレーをつくる -北海道スペースポートの挑戦

2021年4月、大樹町にアジア初となる、民間にひらかれた宇宙港である「北海道スペースポート(以下、HOSPO)」が本格的な稼働を開始いたしました。本セッションでは、「北海道に、宇宙版シリコンバレーをつくる」というテーマのもと、世界が成長産業として注目する宇宙産業に挑戦しているゲストを迎え、北海道と宇宙産業の未来や可能性について議論しました。


登壇者プロフィール

真弓 明彦(写真左下)
北海道経済連合会 会長
1954年北海道旭川市生まれ。1979年北海道大学工学部電気工学科卒業、北海道電力株式会社入社。2008年理事工務部長、2012年常務取締役、2014年取締役副社長を経て、同年9月取締役社長就任。2019年6月より同社取締役会長(現任)、北海道経済連合会会長(現任)

小田切 義憲(写真右上)
SPACE COTAN株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
全日本空輸(株)にて運航管理の現業を経験後、オペレーションズマニュアル等規定類作成を担当。成田空港、羽田空港のオペレーション業務部門責任者を経て、2011年から始まったLCC(Low Cost Carrier)エアアジア・ジャパン(株)初期要員として参画、2012年就航後社長に就任。2016年5月(株)ANA総合研究所入社。自治体、空港管理会社が発注する国内空港の利活性化等に関する調査・研究を担当。2020年4月より現職。

堀江 貴文(写真右下)
実業家
1972年10月29日、福岡県生まれ。現在はロケットエンジン開発や、アプリのプロデュース、また予防医療普及協会として予防医療を啓蒙する等 様々な分野で活動する。会員制オンラインサロン『堀江貴文イノベーション大学校(HIU)』では、1,000名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開している。著書『多動力』『やりきる力』『死なないように稼ぐ。』など

藤間 恭平(モデレーター/写真左上)
STARTUP CITY SAPPORO事務局長 / D2Garageマネージャー
札幌市生まれ。2008年に北海道新聞社入社後、新聞広告を活用したプロモーション、北海道ブランドの海外プロモーションなどを担当。2017年にデジタルガレージ出向後、18年に北海道新聞社とデジタルガレージの合弁会社「D2Garage」に参画。北海道初のアクセラレータープログラム「Open Network Lab HOKKAIDO」の立ち上げに従事。19年より、札幌市のスタートアップ支援プロジェクト「STARTUP CITY SAPPORO」 事務局長、20年に札幌市内に北海道最大のインキュベーション施設「SAPPORO Incubation Hub DRIVE」を開設。日々、札幌・北海道発のスタートアップ育成に注力している。


北海道における宇宙産業のキーマンを招いたトークセッションとなりました。まずはHOSPOを運営するSPACE COTAN株式会社 代表取締役社長 兼 CEO小田切氏より、北海道スペースポートの説明、そして北海道経済連合会会長の真弓氏より、北海道経済におけるスペースポートの有用性をお話しいただきました。

トークテーマ1:北海道×宇宙ビジネスの可能性

藤間:
ではまず北海道における宇宙ビジネスの可能性をテーマにお話を進めていきます。堀江さんは宇宙ビジネスの可能性をどうお考えですか?

堀江氏:
宇宙産業は、インターネットが生まれ普及し始めるときの状況と似ています。成功しているニュースペース(新興の民間企業が進める宇宙開発)はほとんどがアメリカの企業ですが、まだそれくらいしかありません。宇宙産業はオール北海道以上にオールジャパンでいろんな企業の力を集結しないと、国際競争力にならないと考えています。だから僕たちとしてはロケットの成功をとにかくがんばる、小田切さんは射場をつくるといったかたちで、お互いにできることをやりきらないと、宇宙産業という山に登りきれないと思います。ただ、登りきったら、これだけで状況を一転させる力があると思うんです。
北海道だからできるということがたくさんあって、今までハンデだったことが強みになっていくんです。例えば人口密度が低いとかは打ち上げを考えるとありがたいことです。また、宇宙産業において、まちづくりはとても大事だと思っています。HIU(堀江貴文イノベーション大学校)も含めて、面白い人たちを集めて雰囲気を良くしていこうと思っていて。やっぱり真面目一辺倒だと、宇宙版シリコンバレーはなし得ないんじゃないかと考えます。

藤間:
参入してくる企業が多いのはどう捉えていますか?

堀江:
すごく良いことなんだけど、全然参入してこないんですよね…。おそらく、宇宙産業のポテンシャルに気付いていないんでしょうね。

藤間:
「スペースポートはまちづくり」というお話がありましたが。

小田切:
北海道は人口がかなり減っています。人口減少を止めて増やしていくには新たな産業をやっていくしかないんです。コロナ前はインバウンドを頑張っていましたけど、社会的な状況からしばらくできないですよね。だから新しい産業を興し、関東圏にいる人達に移住してもらえるような状況を作りましょう。もちろん大樹町だけの話ではなく、周辺市町村と協力していこうと考えています。
それに北海道って、工業系の大学や高専がたくさんありますよね。つまり宇宙産業のポテンシャルがあるということ。人材の地産地消をできるようにしたいと思います。

藤間:
すべての産業が宇宙に関わっていくためには、どうやって啓蒙をしていくのでしょうか?

真弓:
ロケット射場としての大樹町の優位性に加え、大規模な土地、データ活用の適地、研究機関もたくさんあるので、宇宙関連ビジネスを集積させるのはかなり良いと思います。ただ、道内企業や大学研究機関との横断連携は少なく、情報発信も足りてないです。そういった観点から機運を盛り上げるよう、北海道のハンディキャップをポテンシャルとして活かして行きたいと思います。

トークテーマ2:宇宙版シリコンバレーになるために必要なこと

藤間:

次のトークテーマに移りましょう。「北海道に宇宙開発企業の集積地帯を作る上で最も必要なことは?」という質問も来ていますので、宇宙版シリコンバレーになるために必要なことを堀江さんからお答えいただきたいです。

堀江:

まずは資金ですね。お金が足りないので、ぜひ企業版ふるさと納税をしてほしいです。いま投資をしておけば、ものすごいリターンがあると思っていて、ポテンシャルを秘めた産業だと思っています。それを信じてもらえるか、という話だと思います。

真弓:

HOSPOによる計画的な射場運営が大前提となりますが、いま多くの方からいただいている支援に加えて、財政の基盤を強化していくことが必要になります。

それに、異業種異分野の知見を結集する、オープンイノベーションが大事だと考えます。私が理事を務めているノーステック財団では「チャレンジフィールド北海道」事業にて、大学・スタートアップ・大企業が一体となったオープンイノベーションにより成長産業化を進めます。若い人の力を発揮する土壌づくりも取り組んでいこうと考えています。

小田切:

宇宙の仕事は、専門的で限定的なものだと考える方も多いと思いますが、実は直接的ではないけれど様々な部分で関わることができます。理系でなくても、例えば宇宙企業が集積して北海道や十勝に人口が増えてくれば、飲食店や宿泊施設などそういったものが増えていきます。宇宙産業として盛り上がるためには、みんなで自分の得意分野を活かしていってほしいです。

それに、地上の産業は全て宇宙産業に転換できると思っています。食の宝庫である十勝から美味しい宇宙食をつくろうと、帯広市川西農業協同組合からJAXAに出向している方がいます。誰もが宇宙につながっています。遠くの専門家がやっている仕事じゃないので、自分ごと化して考えてみてほしいですね。

藤間:

いま日本にはHOSPOの他にもいくつか宇宙港がありますが、差別化や連携の取り組みなどはありますか?

小田切:

国内には3つスペースポートがありますが、打ち上げ方法などの強みがそれぞれ違いますので、競合というよりかは協力関係にあります。お互いに得意分野で協力しながら日本に宇宙産業を立ち上げたいです。

近い将来、人工衛星を打ち上げるようになると、人をA地点からB地点に運ぶというビジネスが始まります。それも見据えて、宇宙のハブになる空港は他国にとられないよう、国をあげてしっかり取り組むべきだと考えています。道経連、経産省の力を借りながら活動していきます。

藤間:

視聴者から堀江さんに対して質問です。「ISTとして有人宇宙飛行の分野に参入する予定は?」とありますが、いかがでしょうか。

堀江:

将来的には有人もやります。ISTが液体ロケットを選択しているのは有人を見据えているからですし、HOSPOから有人飛行もできるようになるはずです。ただ直近は、人工衛星を軌道投入するのが最優先ではありますね。

トークテーマ3:最後に

堀江:

ISTはいま、小型衛星ロケットZEROを成功させるために頑張っています。いろいろと資金集めの取り組をみやっていて、個人版と企業版のふるさと納税、広告看板、クラウドファンディングも時々やっているので、ぜひよろしくお願いします。

真弓:

有翼宇宙機のための滑走路も含めて、総合的なスペースポートとしてポテンシャルがあるこの地域を利用しない手はないと思います。ぜひみなさん支援してください。

小田切:

宇宙機は羽田や成田から飛べません。大樹町だからできるのが強みです。北海道らしくフロンティアスピリットを持って、とにかく走り出して、北海道発、日本経済を元気にしていきましょう!ふるさと納税クラウドファンディングもやっています。国にも働きかけながら取り組んでいきます。ぜひ協力してください!


有料アーカイブで視聴可能

本トークセッションは、NoMaps有料アーカイブで視聴が可能となっています。この他にも多くのトークセッションが、税込2,000円で11月17日(水)まで見放題です。下記URLから購入ください!

https://nomaps2021archive.peatix.com/view

▼有料アーカイブで視聴可能なトークセッションの一部

アーカイブ視聴チケット対象セッション

<アーカイブ視聴チケット詳細>

販売期間:2021年10月18日(月)0:00~11月12日(金)23:55まで
料金:2,000円(税込)
申込方法:Peatixページからお申し込みください
視聴方法:NoMaps Conference 2021 アーカイブ視聴チケットご購入者様のみがご覧いただけるPeatix内「視聴ページ」にて、視聴先URLとパスワードをご案内させていただいておりますので、こちらをご確認ください。

ライター:SCS事務局

岡山ひろみ

札幌出身、大樹町在住の猫を愛するWEBライター。