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【J-Startup HOKKAIDOインタビュー】 フォレストデジタル株式会社

【J-Startup HOKKAIDOインタビュー】 フォレストデジタル株式会社

経済産業省北海道経済産業局とSTARTUP CITY SAPPOROが共同で取り組んでいる、J-Startup HOKKAIDO。北海道発でグローバルな活躍を目指すスタートアップ企業を選定し、支援をすることで、スタートアップの飛躍的な成長を後押しするプロジェクトです。
そのJ-Startup HOKKAIDOに選定された、40社(2023年3月時点)に及ぶ企業をご紹介いたします。今回は、フォレストデジタル株式会社 代表取締役CEOの辻木 勇二さんにお話を伺いました!

フォレストデジタル株式会社
代表取締役CEO
辻木 勇二(つじき ゆうじ)

株式会社メルペイ前取締役。三菱UFJ銀行投資銀行部門を経て財務省に入省。開発金融専門官として地球環境課題を担当し、国連気候変動交渉や緑の気候基金の立上げに携わる。その後IT企業のGREE、ヤフーの新規サービス部長等を経て、2018年にメルペイで金融事業の担当役員を務める。十勝うらほろ樂舎発起人。米タフツ大学フレッチャー法律外交大学院卒。

ーーどんな会社で、どんなサービスや商品を提供(開発)していますか?

フォレストデジタル株式会社は2019年11月、北海道東部にある十勝浦幌町で創業したデジタル・ウェルビーイング企業です。没入自然空間を提供する空間型VR「uralaa(うらら)」を開発し、昨年1月から一般販売を開始しました。
 uralaa(うらら)の開発では、天井・正面・左右・後方の5面スクリーンで360度自然に包まれる“イマーシブ(没入体験)”という要素を大切にしています。例えば浦幌町に設置した「uralaa park urahoro」では、視覚・聴覚・嗅覚のそれぞれで、鳥のさえずりが聞こえ、木々の香りを感じ、森や自然に包まれるという“ひととき旅”を体験できます。

▲十勝浦幌町に設置された「uralaa park urahoro」では、前後左右+天井の大型スクリーン、マルチサウンド、木々の香り、風による没入自然空間を提供

実際に体験したユーザーからは、遠くに旅行しにくい状況の中、気軽に自然を体験しリラックスできるなどの高い評価を受けています。国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所と共同研究を行い、没入体験を通じて心拍数が安定化し、副交感神経が整うなど、科学的エビデンスの取得にも積極的に取り組んでいます(プレスリリース:「『デジタル森林浴』が日々のストレスを低減する!!―森林の環境が再現された室内体験がもたらす心身の疲労回復効果―」)。

 現在はカフェ、オフィスなど国内7か所に常設されていますが、デジタル技術活用による空間価値向上という点を魅力と感じていただいています。例えば、レストランの壁に北海道の景色を投影することで、ウシが放牧される様子を眺めながら北海道産牛乳のソフトクリームを食べるという体験が都会にいながらできますし、オフィス空間であればエントランスやワークスペースをより人が集まる空間として高度化することができます。そうしたウェルビーイングなライフスタイルを提供できるだけでなく、商業施設であれば滞在時間が2倍程度になり、売上への貢献等の効果も出てきています。他の施設からの引き合いも増えてきています。

▲どさんこプラザ羽田空港店「uralaa park haneda」、生活の木 イオンモール土岐「生活の木 Earth trip by uralaa」、三菱地所シェアオフィス「TOKIWA PARK by uralaa」など、国内7か所に常設。

ーーなぜそのサービスや商品を提供(開発)したのでしょうか?理由をお聞かせください。

フォレストデジタル創業前から一貫して「テクノロジーは私たちを幸せにしているのか」と疑問に感じていました。というのもデジタル技術の急速な進歩のもとでは、自分たちの心がそのスピードに追い付いておらず、時にはデジタル社会に追い詰められることすらありますよね。
 そんな中、前職(ヤフー株式会社)時代に浦幌町での地方創生ボランティアに参加する機会がありました。実は浦幌町は林業が盛んな地域なのですが、地元の林業家の方や美しい森林と出会い、私たちが得意なデジタル技術を用いて自然に囲まれた幸せな気持ちを伝えたいと感じたことが創業のきっかけです。

ーー提供(開発)しているサービスや商品のアピールポイントを教えてください。

大きく2つあります。まずはクラウド技術による没入空間づくりです。従来の技術では投影したいスペースのサイズに合わせて映像編集ソフトを使って一面ずつ編集する必要がありました。いわば“一品物”を納品していました。一方、私たちの技術では投影空間にぴったり合った没入感を手軽に演出でき、室内空間であればどのような部屋でも同じ没入空間を実現可能かつ、コストダウンが可能です。この技術は現在特許出願中です。
 2つめは、新たなコンテンツを体験できることです。これまでは映像製作にコストがかかるため、映像の入れ替え頻度も少なく、2~3年同じ映像を投影することも多くありました。私たちはクラウド上に映像コンテンツを追加していくため、導入いただいたユーザーの方は新しいコンテンツを随時体験できます。現在約250シーンが利用可能です。

▲北海道や屋久島、西表島などの様々な地域、森林浴や焚き火など、コンセプトや気分に合わせてスマホのカンタン操作で「ひととき旅」を体験可能

ーー経済産業省北海道経済産業局(J-Startup HOKKAIDO事務局)によるスタートアップ支援メニューも活用されていました。

昨年10月に開催された「NoMaps Dream Pitch 2022」に参加しましたが、事前にピッチデックのブラッシュアップ支援を受けました。専門的な視点でのアドバイスやご指導はとても有益でした。他にも資本政策に詳しい方との壁打ち機会もあり、自分の都合に合わせて日程調整できたので、忙しいスタートアップの方にとって利用しやすいと感じます。

ーー今後の会社の展望や、ビジョンを教えてください。

国内1,000か所の常設設置を目指しています。その一環として昨年7月に富士フィルムイメージングシステムズ株式会社と販売パートナー契約を締結するなど、国内向けマーケティングを強化しています。また、将来的には海外展開していきたいです。前職でフィリピンに5年ほど住んでいましたが、例えば小学生が日本の美しい自然や世界の自然を体験して行動変容に繋がるなど、ミッションとして掲げる「wow! and happiness anywhere in the world」の実現を目指します。

ーーお知らせしたいことなどあれば(登壇イベントや採用など何でも構いません)

昨年7,000万円の資金調達を実施し、採用を現在強化中です。①エンジニア、②カスタマーサクセス、③コーポレート部門のメンバーを募集しています。私たちのミッション「wow! and happiness anywhere in the world」や、事業ドメイン「wellbeing with immersive nature」に共感し、空間型VR「uralaa(うらら)」を広めていきたいと思える方と一緒に働きたいと考えています。三菱地所シェアオフィス「TOKIWA PARK by uralaa」(東京大手町)に東京オフィス兼ショールームがありますので、興味があればまずは一度体験ください(※要事前連絡)。

その他、事業連携や導入を検討したい企業、自治体の方なども絶賛募集しています。少しでも興味を持っていただいたら、ぜひコンタクトをお願いします。

フォレストデジタル株式会社

wow! and happiness anywhere in the world.
驚きと幸せを、世界のどこでも。
新しいテクノロジーを用いて、人々にwow!(驚き)とhappinessを提供します。

ホームページ:https://forestdigital.org/
問い合わせ先:support@forestdigital.org