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【J-Startup HOKKAIDOを取り巻くスタートアップエコシステム】チャレンジフィールド北海道

経済産業省北海道経済産業局とSTARTUP CITY SAPPOROが共同で取り組んでいる、J-Startup HOKKAIDO。北海道発でグローバルな活躍を目指すスタートアップ企業を選定し、支援をすることで、スタートアップの飛躍的な成長を後押しするプロジェクトです。
J-Startup HOKKAIDOはサポーターズ企業のみならず、多くの組織や機関に支えられています。このシリーズでは、J-Startup HOKKAIDOを取り巻くスタートアップエコシステムの中でも、中核となる組織や機関を紹介していきます。

今回は、チャレンジフィールド北海道 総括エリアコーディネーター 山田真治さんにお話を伺いました!

■チャレンジフィールド北海道の概要

「チャレンジフィールド北海道」は、経済産業省「産学融合先導モデル拠点創出プログラム(J-NEXUS))」の採択事業です。ノーステック財団が創出エリア支援機関(事務局)となり、2020年10月にスタートしましたので、1年半弱活動してきたことになります。聞きなれない「産学融合」という言葉には、従来の産学連携を超えた大胆な取り組みへの期待が込められています。

課題先進地と言われる北海道ですが、反対から見ると可能性を秘めているということですよね。北海道は、大学や国研が培ってきた広範な知、広大な大地、魅力ある一次産業、全国トップレベルの再エネ資源、世界から押し寄せる観光客など、多くの強みを有しています。これらを生かして北海道をさらに輝かせようと皆で頑張っています。

チャレンジフィールド北海道には、道内8つの自治体、10の研究・教育機関(大学、国研、高専)を擁した(記事公開時点)まさにオール北海道の体制ができあがっていますので、それに相応しい大きなチャレンジをしないと、と身の引き締まる思いです。

北海道では「地域創生につなげる事業創出と産業革新」を旗に掲げ、3つの活動に取り組んでいます。①大学等の研究シーズの事業化や起業支援、②地域や社会の課題解決プロジェクトの推進、③人や組織や情報のつながりからなる共創基盤づくりです。

■これまでの取り組み

スタートアップ創出関連活動ということであれば、3つの活動のうち、①と③でしょうか。①は各大学の上級エリアコーディネーターと研究者との強力なタッグで、現在、16の推進計画が進んでいます。私たちも、F/S調査や基礎調査、マッチング提案といった形で、少しでも事業化が加速するよう伴走支援させていただいています。

とはいえ、事業化に向けてまだまだ途中段階ですので、ここではノーステック財団を中心としたスタートアップ創出支援プロセスに関する取り組みを3つご紹介します。

1つ目は、「HSFC(エイチフォース・北海道未来創造スタートアップ育成相互支援ネットワーク)」との連携です。2021年度より活動を開始し、道内の11大学、4高専、5法人が参画しています。ノーステック財団もその一員としてGAPファンドの採択案件の審査を行い、スタートアップの芽の発掘を進めています。また、より規模の大きな資金調達へとつなげるため、投資家へのプレゼンテーションの場であるDemo Dayも開催しています。

2つ目は、「NoMaps Dream Pitch 2021」の共催です。NoMapsは、北海道から新たなイノベーションを創出するための場づくりを精力的に進められていますので、皆さんよくご存知と思います。その中で、Dream Pitchは優れた技術シーズやアイデアを基に事業化をめざす起業家やスタートアップ企業によるビジネスプランコンテストです。チャレンジフィールド北海道としてイベント普及に向けた広報活動を進めるとともに、私自身も6名の先生方とともにコンテストの審査員を務めさせていただき、北海道に新たな風が吹きつつあることを実感しました。

3つ目は、E-learningプログラムの提供とオンラインレクチャーの実施です。大学生をはじめとしてスタートアップに興味がある方は多いと思うのですよね。でも実際にはどこに相談して良いのかも、何から始めて良いのかも分からない方がほとんどなんじゃないでしょうか。北海道でスタートアップをめざす方がどんどんと増えて欲しい、そんな方を支援したいと考えたのがE-learningプログラム「はじめてのスタートアップ オンライン講座」やオンラインレクチャーの提供です。今年度は140名の方に受講いただき、各自のペースで起業に関する理解を体系的かつ網羅的に深めるとともに、事業計画や資金調達に関しては経験豊富な講師からオンラインで直接講義を受けることができるようになっています。

■今後の展望・ビジョン

まずは、現在進めている3つの取り組み、①大学等の研究シーズの事業化や起業支援、②地域や社会の課題解決プロジェクトの推進、③人や組織や情報のつながりからなる共創基盤づくりを軌道に乗せることが最優先です。そして、徐々に3つの取り組みを相互につなげて循環、スパイラルアップしたいですね。実践を積み上げることでより使われやすい共創基盤になり、共創基盤を活用することで事業創出や課題解決をより効果的に進められます。

また、スタートアップ創出の機運が高まる北海道では、既に多くの大学や自治体、産業支援機関等が様々な形で支援を進めています。チャレンジフィールド北海道の強みは、そうした機関と連携体制があることです。その強みを最大限に生かし、組織の垣根を越えて北海道全体が最適化されるようなコーディネート機能の一端を、チャレンジフィールド北海道が担えれば最高ですね。

■おわりに

チャレンジフィールド北海道には、「将来世代のために希望にあふれる地域社会を共創したい」という壮大な想いがあります。それに比べて、私たちだけでできることは限られています。「より良き北海道」への想いをもつ人が組織を超えて集まり、ダイバーシティとインクルージョンの機運のなかで将来世代のために力を貸していただける多くの「同志」を募集しています。

また、チャレンジフィールド北海道では「人」に関心を寄せ、「人」に期待しています。地域やコミュニティにおられる一人ひとりにとってのQOLやWell-beingなどの人間活動にも目を向けることが重要だと信じています。チャレンジフィールド北海道のホームページやnoteのインタビュー記事(前編後編)にも思いを書かせていただきました。ご覧になり、我こそは、と思う方からご意見をいただきながら取り組みを進めていきたいと思っています。ぜひ、北海道の発展に向けた大きなチャレンジをご一緒しましょう。

ライター:SCS事務局

岡山ひろみ

札幌出身、大樹町在住の猫を愛するWEBライター。