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個人利用も可能なスタートアップ立地促進補助金で、エコシステムを加速させる

札幌・北海道がスタートアップ・エコシステム拠点都市に選出されてから1年が経過し、産学官それぞれでエコシステムの構築に向けて様々な動きがありました。2021年8月から始まった「スタートアップ立地促進補助金」もそのうちの一つ。一言でいうと、スタートアップが札幌市内にオフィスを設けるときに補助しますというものです。

実は、札幌市が実施する補助金の中で、スタートアップを対象にしたのは初めての取り組み。例にない補助金をスタートさせるまでに、スタートアップを相手にする経験がなかったお二人はSTARTUP CITY SAPPORO事務局とも話し合い、札幌におけるスタートアップの状況を調査し、ディスカッションを何度も重ねたそうです。

今回は、この「スタートアップ立地促進補助金」を担当している札幌市経済観光局産業振興部IT・イノベーション課の大道巧さんと、湯川太希さんにお話を伺いました!

スタートアップ立地促進補助金とは?

「スタートアップ・エコシステムの構築のために、札幌市はスタートアップへの支援に力を入れています。我々はエコシステム推進の中心部署ではないですが、企業誘致の観点からも盛り上げていきたいと思い、8月からスタートアップ向けの補助金をスタートさせました。」そう話すのは立地促進係の湯川さん。

▲立地促進係の湯川さん

立地促進係というのは、首都圏をはじめ、道外から企業を誘致する部署です。大企業のコールセンターや、本社移転など、誘致の切り口がたくさんある中で、スタートアップに向けた補助金にすることを決めたそう。札幌市として初めてスタートアップを対象としただけではなく、今までにはないスタンスの補助金だそうです。

「スタートアップ立地促進補助金」は、既に札幌市外で起業し設立7年以内のスタートアップが本社移転する際や、札幌市内に初めて拠点を設置する際にも利用できますが、なんと言っても注目したいのは、個人の方も対象にしているということなのです!

▲区分が3つありますが、区分Aは個人向け、区分B、Cは法人向けになっています。

「個人の方が起業するには、登記するのにもお金がかかりますよね。法人化し拠点を構えて活動する際の準備費用として使ってもらえたら、起業する方を後押しできるんじゃないかと。札幌市として、起業しやすい環境を作っていきたいと思っています」

この補助金に年齢制限はありません。特に若い学生が起業するには、十分な資金がないことが多いですよね。この補助金を使えば少なくとも50万円の補助が受けられますし(※)、おおいにチャレンジしてほしいです。そして、我々の想像を越えるようなアイディアを世の中に出してほしいと思います」

※:区分Aの個人で、補助金の交付申請時に起業者以外に正社員がいなくても、少なくとも起業者の1人分の50万円を受け取ることができる。一気に社員数を拡大しなくともある程度の補助が受けられるということ。

交付までの流れ

交付までは4ステップ!補助金の申請が初めての方も、まずは大道さん・湯川さんが所属する立地促進係にご相談すれば良いそうです。

STEP1:指定申請の前に事前相談を忘れずに!
あらかじめ補助対象であるか確認し申請手続きを円滑に進めるため、札幌市側へ事前相談をお願いします。その際は事業計画の説明が必要となります。
事業内容が補助要件に合致するかの確認のため、STARTUP CITY SAPPORO事務局との面談をセッティングする場合もございます。

STEP2:指定申請(事業内容などが補助対象になるか確認・認定する手続き)
「指定申請書」と「事業計画書」を提出いただきます。
補助要件を満たすかどうかの審査後、「補助金指定通知書」を交付。これは、補助金を受ける権利のようなものです。事業計画の中身にもよりますが、申請から指定通知書の交付まで1週間前後で可能とのことです。
※区分A、Bに該当する方は「法人本店登記前」に、区分Cに該当する方は「事業所を開設する前(オフィスの賃貸契約前など)」に指定申請をお願いします。

STEP3:事業開始
事業所を開設後、すみやかに「法人設立・設置届出書」を国税庁(税務署)・北海道(道税事務所)・札幌市(市税事務所)に提出いただきます。

STEP4:交付申請(補助金額を確定して交付するための手続き)
補助要件を満たしている場合、年度内であればいつでも申請が可能です。申請内容を審査して金額を確定し「補助金確定通知書」を交付いたします。

補助金を受け取る際には、下記の要件を満たしていることが必要です。

  • 先端技術の活用、既存産業の高付加価値化、またはイノベーションの誘発等により今後成長が見込まれる3年以上の事業計画を有し、その間市内で事業を継続すること
  • 札幌市内に事業所を設置(インキュベーション施設等への入居を含む)し、上記の事業を開始すること
  • 申請者が法人の場合、これまでに札幌市の企業立地促進に係る補助金の交付を受けたことがないこと
  • 補助金の交付を受けた日から3年間は、札幌市内で当該事業を継続すること。(事業継続義務期間)
  • 正社員とは、補助金の対象となる事業に専ら従事している、以下の要件をすべて満たす方
    • 雇用期間の定めのない雇用契約を結んでいること(ただし短時間労働者は除く)
    • 雇用主により、雇用保険、健康保険、厚生年金に加入していること
  • 札幌圏(札幌市、小樽市、岩見沢市、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村、南幌町、長沼町)に居住し、住民登録を有すること(指定施設に事業所を開設する場合)
  • 指定施設とは札幌市エレクトロニクスセンター、札幌市産業振興センター(スタートアップ・プロジェクトルーム/インタークロス・クリエイティブ・センター)を指す
  • 機器購入費とは事業に直接用いるために購入した事務機器(業務に用いる機器・機械類、家具、ソフトウェアとし、消耗品を除く)の購入費並びに購入に伴う輸送費及び設置費のこと
  • 採用費とは、正社員の採用に要した求人広告費、広告制作費、人材紹介サービス利用料、企業説明会または面接会の会場借上費・参加料を指す

起業/立地準備費は最大150万円。例えば、区分Aは1人あたり50万円の助成になるので、起業者1人だけであれば50万円が、他に正社員2名いれば150万円となります。ただし、「代表を含む取締役は1名分に限る」という要件がありますので、起業しても社員が全員取締役だと1人分の50万円になります。他にも、正社員であること、札幌圏に居住することなどの要件があるため、必ずよく読んでから申請してください。

https://www2.city.sapporo.jp/invest/subsidy/startup.php

また、補助金の交付を受けた日から3年間は札幌市内で事業を継続しなければならないので、事業内容に関してはSTARTUP CITY SAPPOROの相談会などを活用するのが良いかもしれません。

この補助金が気になった方は、札幌市経済観光局 産業振興部 IT・イノベーション課立地促進係に直接訪ねるか、電話で相談をしてほしいとのこと。相談の際は、具体的な事業内容が決まっていなくても大丈夫。今後スタートアップを検討しているよ、という段階で連絡してもらえれば、制度の説明をしてくれるそうです。「札幌にスタートアップ人材を増やしたいという狙いもあるんです。スタートアップを誘致し、経験してる方が札幌にきてもらえるだけで、エコシステムはより機能すると考えています」と、大道さん。

▲立地促進係の大道さん

最後に、担当のお二人にコメントを頂きました。

湯川さん
若い人にとってスタートアップという選択肢が当たり前の環境をつくりたいと考えています。札幌市の課題として、若い人材の首都圏への流出があります。しかし、スタートアップ・エコシステムが構築されたら札幌の魅力アップにもつながり、首都圏から札幌に帰ってくる理由にもなりますから」

大道さん
”札幌に入りたい会社がなければ作ればいい”を当たり前にしたいですよね。おもしろいスタートアップに入りたいと思っても数がなければ選べないですし、札幌でスタートアップの選択肢が増えていくようにしていきたいです。制度は始まったばかりなのでこれから。調整しながらやっていこうと思います」

札幌市経済観光局 産業振興部 IT・イノベーション課 立地促進係
札幌市中央区北1条西2丁目
TEL 011-211-2362 / FAX 011-218-5130
http://www2.city.sapporo.jp/invest/subsidy/startup.php

ライター:SCS事務局

岡山ひろみ

札幌出身、大樹町在住の猫を愛するWEBライター。