
SCS café 弁護士コラム#2「契約書をつくる本当の意味」
STARTUP CITY SAPPORO事務局では、ビジネスのあらゆるお悩みに対応できるよう、毎月士業の先生方をお招きした相談会を実施しています。今回も第1回目に続き、いつも相談会でお世話になっている弁護士の諏訪先生からのコラムです。ぜひビジネスの参考にしてください!
諏訪先生プロフィール
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弁護士 諏訪 博紀 氏 札幌市出身。早稲田大学法学部、北海道大学法科大学院卒業。 |
契約書をつくる本当の意味
今回は、契約書をつくることの重要性について、お話をさせていただきます。
皆さん、契約書をつくるという作業について、面倒くさいと思っていませんか。例えば、判子を押すという作業に時間がかかってしまいスピード感が妨げられる、信頼関係で仕事をしているので契約書はあまり必要ではない、契約書に隅から隅まで目を通す余裕がないなどとして、契約書を作るのを後回しにする、インターネット上でみつけた契約書をそのまま転用する、場合によっては契約書自体を作らない、とはなっていませんでしょうか。契約書を軽視すると、その先には大きなリスクが待ち構えています。
まず、契約書自体を作らない場合についてです。例え、90%の取引でトラブルが生じないとしても、10%の取引では必ずトラブルが生じるものです。契約書は、トラブルが生じた時に解決のための指針となるものです。自分だけはトラブルにはならないと思っていたとしても、トラブルは誰にも平等に降りかかってきます。トラブルになった後に契約書を作っておけばよかったと後悔しても、時間は決して戻ってくれません。
次に、インターネット上でみつけた契約書をそのまま転用する場合についてです。例え、似ているような取引であっても、世の中には一つとして同じ取引はありません。取引ごとに、取引相手が信用できるかどうか(対価を払うタイミングと関連してきます)、どのようなミスが生じやすいのか(債務不履行があった時の解決方法と関連してきます)など、重要なポイントはそれぞれ異なります。ネット上の契約書をそのまま転用しても重要なポイントにズレが生じてしまうと、トラブルが生じた時に不利益を被ることになりかねません。取引に応じて、ご自身の利益をきちんと確保できるように、カスタマイズすることをお勧めします。
最後に、契約書を作るのを後回しする場合についてです。特にスタートアップの段階では、アイディアが皆さんの大きな資産である場合も多いと思いますが、契約書作成を後回しにしてしまうと、それまでの間、アイディアが法的に十分に保護されない事態となりかねません。アイディアが不当に流用されることのないように、取引に先立って秘密保持契約書を交わすなどして、ご自身の資産を守ることが重要です。
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